コラム(8) -神郡-

 地方行政区画の一つである郡のうち、特定の神社に奉仕するためのもの。8世紀に伊勢国伊勢神宮の渡会(わたらい)・多気(たけ)、下総(しもふさ)国香取神宮の香取、安房神社の安房、常陸(ひたち)国鹿島神宮の鹿島、出雲(いずも)国熊野神社の意宇(おう)、紀伊国日前(ひのくま)・国懸(くにかかす)神宮の名草、筑前国宗像(むなかた)大社の宗像の計8郡が定められた。奉仕の内容には不明な点が多いが、役人である郡司が神事に携わり、優遇措置が講じられた。