神狩神事

 神狩神事は、平安時代の「古語拾遺」(こごしゅうい)に房総を開拓したと伝えられる天富命が、猪や鹿などの害獣を狩り取ったことに感謝するための神事といわれています。

 神狩は「ミカリ」と発音され、この神事は館山市安房神社で行われていましたが、白浜町滝口の下立松原神社では現在も行われています。

 安房神社ではかつて、12月26日から1月4日にかけて行われていました。神事の初日は、イチノビと呼ばれ、この日から神主は身を清めて神社にこもり、人にあったりしませんでした。また、氏子は針の使用、機織、物音などを嫌って避けたといいます。最後の夜には、紅白の「舌の餅」を神前にあげましたが、これは獲物の舌を象徴するものとされています。

 下立松原神社に、3頭分の大鹿の角が伝わっていますが、これは神狩神事とともに、古代祭祀を考えるうえで貴重なものです。

2.大鹿角

2.大鹿角
白浜町滝口・下立松原神社蔵